2015年3月23日月曜日

【おすすめ】読書メモ:子育てという政治

先日、ジャーナリスト猪熊弘子さんの著書『「子育て」という政治』を読みました。
「少子化なのになぜ待機児童が生まれるのか?」というサブタイトルに惹かれたからです。


この質問に答えられないばかりか、疑問さえ持っていなかった自分に愕然としました。

そして同時に、「はじめに」に書かれていた
「小学校に入れない子どもはいないのに 、なぜ保育所に入れない子どもがいるのか?」
という質問。

これも同じく、答えられないどころか、考えたこともありませんでした。

世の中に「待機児童」がいることが当たり前と思ってしまっており、そのことに疑問すら持たなかったのです。


本書は、この2つの質問に対し、「待機児童」という言葉が生まれた経緯から現状までを詳しく紹介しながら、その答えを提示してくれています。


働きながら子育てしようと思ってもできない状況を、多くの切実な実例を挙げながら、子育てと政治がいかに切っても切れない関係であるか、教えてくれます。

そして、「待機児童」が生まれる状況に対して、現状の課題を分析し、法律を整備することによる解決策を投げかけています。

保育園に入れるための活動=保活が必要な現状では、保育園に入れられるか入れられないか、入れられなかったら仕事をやめるのか子どもを産むことを諦めるのか、親の自己責任となってしまっています

本書は同時に、解決していない現状において、実際にいま困っている親たちは一体どうすればいいのかという疑問に対しても、具体的にアドバイスされています。

私も親になってから、「子育ては子どもを産む選択をした人たちの自己責任」という風潮をひしひしと感じます。

もちろん、子どもを生み育てるという親としての責任はあります。

でも、「働きながら子育てしたい」という願いは、わがままなのでしょうか?

共働きでないと子育てしていけない家庭も多いと思います。
シングルの家庭はなおさらです。

そして、経済的な理由でない場合でも、社会の役に立つことや、自己実現の場として「働きながら子育てしたい」という希望は叶えられるべきです。

本書を読むと、著者が実際に「待機児童」の問題に直面した1990年代から、実態は改善するどころか逆に悪くなっていることがわかります。
少子化は進んでいるのに、です。

「待機児童」の問題に直面するお父さん、お母さんだけでなく、あらゆる人たちに読んでもらいたい本です。

「少子化なのになぜ待機児童が生まれるのか?」
気になる方はぜひご一読ください。



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